わさおの俳句教室日誌・「新寺町の豚小屋」~15.12.23分
12月23日の俳句教室においては、兼題は「火事」、「牡蠣」、「当季雑詠」であり、席題は「冬」、「クリスマス」、「霰」及び「日記果つ」の中から選んだ一題である。
前回、12月9日の俳句教室は、津軽わさおは、所用のために欠席せざるを得なかった。12月23日の俳句教室における兼題の一つが「火事」だと聞いて、驚いた。何も、「火事」を題にして俳句を詠まなくてもいいだろうに。
俳句は、楽しんで詠めばいいのであって、「火事」の兼題を提案した女性メンバーの見識はおかしい。
まあ、しかし、決まったものはしょうがない。でも、「火事」で一句詠むには、どうすればいいのだ。そこで、角川俳句大歳時記で「火事」で検索したら、その中に「半鐘台」がある。これだ。東日本大震災の鎮魂の意味合いで、次の一句を詠んだ。
半鐘台打ち鳴らす先に津波来る
これを詠んだあと、Kさんに兼題の「火事」は、火事に限るのか確認してみた。そうしたら、広く火事一切ではなく、火事に限るのだという。
困った。「火事」の題では詠みたくないので、俳句が思い浮かばない。そうしたら、突如、頭の中で、小学生の時、歌った歌が響いた。
火事だ 火事だ どこ町だ 新寺町の豚小屋だ 豚のけっつ 丸焼けだ
終戦後間もなく大人も子どもも歌った、伝承歌である。当時、大人から聞いたところによれば、朝鮮人が密造酒を作り、豚小屋に隠していたのをよく警察に摘発されたそうだ。その豚小屋は、彼らの火の不始末で、火事で焼けることがあったという。
しょうがないがないから、この伝承歌を基にして次の二句を作った。
火事だどこだ新寺町の豚小屋だ
火事だどこだ豚のけっつ丸焼けだ
以下に、12月23日の俳句教室におけるわさおとKさんの俳句を掲げる。
津軽わさお作
火事だどこだ新寺町の豚小屋だ
牡蠣食えば芭蕉が唸る瑞厳寺
半鐘台打ち鳴らす先に津波来る
冬の津軽お岩木山の白化粧
Kさん作
火事だ火事傘を三本脊負たのみ
牡蠣の汁口いっぱいに幼き日
雪布団しっかりかけて草眠る
せっかくの冬大切に時を待つ
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