わさおの俳句教室日誌・「キャバレーゴールド」~15.12.9分
12月9日の俳句教室においては、兼題は「年忘れ」、「木枯らし」、「当季雑詠」、席題は「鰰(はたはた)」である。
以下に、12月9日の俳句教室におけるわさおとKさんの俳句を掲げる。なお、この日、津軽わさおは、所用のために欠席せざるを得なかったので、「鰰」の句はない。
津軽わさお作
キャバレーゴールドや昭和の夜の年忘れ
木枯らしやフーフーつつくジャッパ汁
はげの聖地のはげます会やみかんむく
Kさん作
盃ふたつ二合の酒で年忘れ
木枯らしや舞台を変える演出家
鱈の里場取り喜ぶ猿の群れ
鰰の血ばしる眼漁師まで
俳句は、抒情詩、すなわち作者の思いや感情という内面を表す詩である。その内面を表す際、風景や事物に託して内面を表現する。
したがって、俳句作りの主たる目的は、作者の思いや感情を表すことにあり、それを託す風景や事物は、言わば手段であると考えられなくもない。
しかし、俳人、津軽わさおとしては、内面の表現を託す事物の中には、その事物自体に俳句の中に遺すべき歴史的価値あるものあり、と考える。
今回の三句のうち、「キャバレーゴールドや昭和の夜の年忘れ」は、まさにその一例である。
今の若い人たちは、キャバレーなるものを知らないだろう。昭和の高度成長期、青森市のキャバレーゴールドは、青森県一のキャバレーであった。生バンドにきらびやかな踊り子たち。綺麗どころのホステスは、70人ほども。客は、ウイスキーやブランデーなど、高級酒をあおる。
活力に満ちた昭和の時代。何もかも元気があった。キャバレーゴールドは、その一つの象徴であった。名前のゴールドが素晴らしい。
キャバレーゴールドの全盛期、津軽わさおは、まだ駆け出しの若者であった。が、毎日毎日が楽しかった。希望にあふれ、エネルギッシュそのものだ。昭和は、本当にいい時代だ、った。過去形で語るのが、懐かしくもあり、淋しくもある。
キャバレーゴールドや昭和の夜の年忘れ
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