シニアナビ・素晴らしき物語、「凄い女性たち」
俳句の初心者、津軽わさおは、今、一生懸命、俳句修業に励んでいる。その一環として、他の人が作った俳句を読み、どこがどのように上手いのか勉強している。
最近、シニアナビで見かけたYさんの次に掲げる二つの俳句は、上手いなあ、と思う。
Yさん作
お土産は活き活きとした秋の鯖
捌いては魚の粋を秋灯し
この俳句を詠むに至った経緯は、Yさんのブログ記事によれば、次のとおりである。
Yさんは、「着物の再生」をなさる方である。最近、高知県土佐市宇佐町にある宇佐漁港近辺の高齢の女性から「着物からワンピースを~」との依頼を受け、それを仕上げて届けた際、「貴重な鯖 鰯」をお土産にいただいた。
依頼主の女性は、80代の方であり、宇佐漁港では、自分で漁船を操縦し、一人で漁をする、ただ一人女性である。
海の上で自分で漁船を操縦し、一人で漁をする、これは大変なことだ。それを男がするのでも、簡単ではない。それが女性で、しかも80代なのだ。凄いことだね。
考えてみれば、「80代の女漁師」の方が古い着物からワンピースを作ってほしい思われたことが凄い。
古い着物は、そのままでは、古い着物だ。が、当然、若かりし頃の思い出がある。持ち主にはかけがえのない思い出だ。そこには、人生そのものがあると言ってもいい。
そのような古い着物からワンピースを作ることで、古い着物に命を吹き込むことができる。ワンピースに形を変えても、思い出は、しっかり残っているし。
そして、大事なことに、そのワンピースは、まさにオリジナルである。世界で、たった一つのものだ。
「80代の女漁師」の方が「着物の再生」を思いつかれたのは、Yさんの着物から再生した作品がスーパーで販売されているのを見たことに起因している。そこに至った女漁師の方の感性が凄い。
そして、そもそも、Yさんが「着物の再生」を推し進めてこられたことが凄い。
振り返れば、戦後の日本は、豊かになるにしたがって、大量生産、大量消費の歴史を歩んできた。その結果、古い着物は、古いというだけで、大量に廃棄されてきた。
戦後70年の今、ようやくにして、それでいいのか、という機運が盛り上がってきているのではないだろうか。
物を捨てるのは、簡単だ。しかし、それを進めているだけでは、進歩はない。
このように考えれば考えるほど、今回の「80代の女漁師」の方とYさんは、「凄い女性たち」である。
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