わさおの俳句教室日誌・「手びらがね」~15.07.22分
日本全国には、さまざまな祭りがある。四季折々に、各地各地で祭りが開かれ、どこでも、我が祭りは日本一であるとし、熱が入る。
津軽でも、夏は、青森市でねぶた祭り、弘前市でねぷた祭り、五所川原市で立佞武多(たちねぷた)祭りなど、祭り一色になる。
その中でも、ねぶた祭りは、躍動感及び芸術性において、日本一の火祭りである。
青森ねぶた祭りは、毎年8月2日から7日までの日程で開催される。20数台の大型ねぶたが出陣し、国道4号を含む約3kmのコースを、8月2日から6日までは夜、最終日の8月7日は昼に運行される。
夜間運行時には、約3kmのコースの沿道両側は、ぎっしり鈴なりの観客で埋め尽くされる。結果、6日間の総観客数は、300万人を超える。
ねぶた祭りの主役は、もちろんねぶたである。大型ねぶたの大きさは、ねぶたを乗せる台車が高さ約2m、その上のねぶたが高さ5m、幅9m、奥行き7m、重さ4tといったところだ。
これだけの大きさのねぶたを台車に乗せて引いて歩くのは、大人の男子30人ほどである。
ねぶたに使用される電球は、800ないし1,000個であり、最近は、省エネのためにLED電球が使われ始めている。
ねぶた1台の運行に掛かる費用は、約2,000万円と言われているから、半端でない。
大型ねぶたの運行を盛り上げる主役は、ねぶたそのものであるが、もう一方の主役は、人間である。跳人(はねと)とともに、太鼓、笛及び手びらがねの囃子方(はやしかた)だ。
跳人(はねと)は、跳ねる人と書く。ねぶた祭りの衣装で正装した踊り手なのだが、大型ねぶたの前方で、「ラッセラー、ラッセラー」と声を張り上げながら、跳ねるように踊るのだ。だから、跳人、ハネトと呼ぶ。
大型ねぶた1台に参加しているハネトの数は、500ないし1,000人ほどで、多いと2,000人以上になるから、半端でない。
祭りには、囃子方(はやしかた)が付き物である。ましてや、1,000人ほどのハネトが、シャナリシャナリと踊るのではなく、「ラッセラー、ラッセラー」と声を張り上げながら、跳ねるように踊るのだ。であれば、ど迫力の囃子方でなければならない。
まず、太鼓だ。ねぶた1台当たり、大型太鼓が少なくとも10個はいる。大型太鼓を5個ずつくらいに連結させ、台車に乗せて引き手が引っ張る。
これを、大人の男子が、時に大人の女子が、力いっぱいに叩く。正調ねぶた囃子で、ダーンタタ、ダータタン、ダーンタタ、ダータタン、ダタダタ、ダータタン、と続いていく。
次は、笛だ。正調ねぶた囃子で、シャラララ、シャラララー、シャラララ、シャラララー、シャラシャラ、シャラララー、と続いていく。笛の吹き手は、ねぶた1台当たり、100人はいる。男女の割合は、半々くらいだろう。
最後は、手びらがねだ。いわゆるシンバルの類に属し、鉄製の平らな薄い円盤一対からなり、左右の手に持って打ち合わせて使う。
正調ねぶた囃子で、チャンチャラ、チャンチャラ、チャンチャラチャン、チャンチャラ、チャンチャラ、チャンチャラチャン、チャラララー、チャンチャラチャン、と続いていく。手びらがねの使い手は、これまた、ねぶた1台当たり、100人はいる。男女の割合は、なぜか圧倒的に女子が多く、大部分が女子だ。
去る7月22日開催の俳句教室。兼題の一つは、「夏の月」である。
俳句初心者の津軽わさおとしては、ただ一つ、十七音字で、ねぶた祭りの躍動感及び芸術性を詠み込みたい。そこで、一句。
津軽わさお作
手びらがね 打ち振る先に 夏の月
この句は、おかげ様で、最高得点の5点を獲得した。
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