萩本欽一さん・「やはり、凄い人だよね」
人生において、大学入学は、一つの大きな節目である。学力はもちろん、学資などの難しい面も克服して初めて大学入学となる。
だから、人は、さまざまな思いを抱きながら、大学入学式に臨む。津軽のシニアブロガーは、杜の都、仙台で何十年も前に経験した大学入学式の模様は、今でもよく覚えている。そして、自分のこれまでの人生において、仙台での大学生活の4年間は、決定的な重みを持っている。
今年も、全国各地で若者たちが大学入学式に出席し、新生活をスタートさせている。何十年も前の紅顔の美少年ぶりを思い出しながら、現代の若者たちの大学生活に幸多からんことを祈るものである。
2015年4月8日、ネットで時事通信の配信ニュースが流れた。「萩本欽一さん大学1年生に」とのタイトルが付いている。配信ニュースに曰く。
社会人入試制度で駒沢大学仏教学部に合格したタレントの萩本欽一さんが8日、約2000人の新入生とともに都内の同大で行われた入学式に臨んだ。写真は式を前にVサインで喜びを表す萩本さん。
確かに、掲載の写真では、欽ちゃんがVサインで喜びを表しているのだが、よく観ると、その印象は、感極まって涙ぐみながらのVサインであるようだ。
萩本欽一さんは、御年、73歳だ。73歳で大学入学ともなれば、そりゃ嬉しいだろう。しかし、欽ちゃんの喜びは、そうした単純なものではないようだ。万感胸に迫るものがあり、感極まって涙ぐみながらのVサインをしているように観えるのだ。
以前に萩本欽一さんが駒沢大学仏教学部に合格したことがニュースとなった時、彼は、認知症対策として大学入試にチャレンジしたと語り、私たちを笑わせたものだ。日本の喜劇王である欽ちゃんは、流石だと思わせる。
しかし、私たちは、別な意味で、欽ちゃんは、流石だと思わざるを得ない。やはり、萩本欽一さんは、凄い人だよね。
NHKの番組に「ファミリーヒストリー」というのがある。俳優や歌手やタレントなどの家族の歴史とかルーツを紐解いてみせる番組だ。
津軽のシニアブロガーは、普段は、この番組は観ない。俳優や歌手やタレントが誰であるかにもよるのだろうが、本人はいざ知らず、基本的には家族を含む歴史とかルーツに興味はないからである。
だが、2015年4月3日22時から放送分は、たまたま観らさった。萩本欽一さんの「ファミリーヒストリー」だという。観ていて、釘づけになった。元来、萩本欽一さんは、ご自分の私生活を明らかにはしない方だと認識していたが、萩本欽一さんであれば、家族の歴史とかルーツがどんなであるかは、大いに興味がある。
欽ちゃんのお父さんは、戦後のカメラの普及を予知し、その開発に熱中するのだが、時代の流れが彼に味方しなかった。結果、失敗して、莫大な借金を残し、蒸発する。
確か、欽ちゃんとそのお兄さん、お姉さん二人、弟さんといったたくさんの子どもたちをお母さんが女手一つで必死で育てる。いつも、借金取りに土下座して謝るお母さん。それをいつも見ていた欽ちゃん。
子どもたちを必死で育て、それぞれを高校まで出してやったお母さんは、それからはそれぞれがそれぞれで生きていくべし、として「一家解散」を宣言する。一家離散とは言わないで、「一家解散」と言うところが、自分たちが決めて実行するのだという積極性がある。欽ちゃんのお母さんの強さだね。
欽ちゃんは、借金取りに頭を下げ続けざるを得ないお母さんを助けるため、コメディアンになった。「一家解散」の時、お母さんは、欽ちゃんに語りかける。「欽一、高校しか出してやれないで、大学に行かせてやれないで、ごめんね」。欽ちゃんが答える。「母ちゃん、高校まで出してくれて、ありがとうね。大学は、自分で働いて行くから、いいよ」。
2015年4月8日、萩本欽一さんは、約2000人の新入生とともに都内の駒沢大学で行われた入学式に臨んだ。これは、かつての萩本家の「一家解散」の時、欽ちゃんがお母さんに約束した「自分で働いて行く」大学入学を果たした瞬間である。
御年、73歳の欽ちゃん。お母さんは、既に101歳で天寿を全うされているが、きっとや欽ちゃんの晴れ姿をにっこりと見て、大いに褒めて下さっていることだろう。
万感胸に迫るものがあり、感極まって涙ぐみながらのVサインをしている欽ちゃん。その姿を観ると、観る私たちも胸が熱くなる。
欽ちゃんは、流石だね。やはり、萩本欽一さんは、凄い人だよね。
私の人気ブログランキングへの応援のため、
ポチッと↓をクリックお願いします。