サッカー日本代表・「出でよ、超一流選手」
今から21年前の1993年10月28日に行われた、ドーハの悲劇と呼ばれるサッカー日本代表の試合。それのテレビ実況中継を東京で観た。
あの試合、日本は、九分九厘、ワールドカップ(W杯)初出場を手中にしていた。が、栄光は、最後の最後に、スルリと抜けていった。
茫然として、天を仰ぐ、三浦知良選手、中山雅史選手らの日本代表選手たち。その胸中を察するにあまりある。そして、テレビ放送を目にした日本国民の落胆たるや。嗚呼。
この時、サッカーの試合は、何が起こるか分からないことを、そして、それだからこそ、逆に、サッカーの試合はおもしろいことを知った。
サッカー日本代表のW杯への道は、ドーハの悲劇から始まった。その瞬間から、すべてが始まったと言える。
あれから20年以上が経ち、サッカー日本代表は、1998年フランス大会から2014年ブラジル大会まで、W杯で5大会連続出場を果たしている。
あれ以来、サッカー日本代表が勝てば勝ったで、惜しくも負ければ負けたで、折に触れ、ドーハの悲劇当時のことを思う。
十年一昔というが、二十年もの歴史を刻み、サッカー日本代表は、一段と高いレベルを窺う時期にさしかかっている。
ドーハの悲劇以降、順調に成長の歩みを進めているサッカー日本代表だが、W杯での最高成績はベスト16どまりだ。
直近のW杯ブラジル大会では、サッカー日本代表は、惨敗を喫してしまった。1次リーグ敗退だ。
初戦のコートジボワール戦は1-2の逆転負け。二戦目のギリシャ戦は0-0の引き分け。三戦目のコロンビア戦は1-4の完敗。結局、1次リーグの3試合は、2敗1引き分けの勝ち点1。惨憺たる結果である。
原因はなにか。さまざまあるだろうが、とどのつまりは、サッカー日本代表には、超一流選手がいないことである。
W杯ブラジル大会で大活躍が期待されたFWの香川真司選手と本田圭佑選手。両選手は、紛れもなく、日本が世界に誇る選手であり、世界の一流選手である。
しかし、W杯ブラジル大会における現実を観ると、香川選手と本田選手は、一流選手ではあるけれど、一流選手にすぎない。
アルゼンチンのメッシ選手、ブラジルのネイマール選手、コロンビアのロドリゲス選手、オランダのロッベン選手など、ブラジル大会で得点王を争った各国選手は、いずれも超一流選手と呼ぶにふさわしい。
パス回し、ドリブル、シュート、キック等の切れ味、精度、スピード等において、超一流選手と日本の一流選手とでは、まったく違うのは、一目瞭然だ。
超一流選手と比較すると、香川選手は、ひ弱く、本田選手は、もたもたしている印象を受ける。香川、本田の両選手と超一流選手との実力差は、歴然だ。
世界基準における超一流選手と一流選手の差はどこにあるか。それは、超一流選手は、チャンスを一発で物にし、ゴールをあげるのに対し、一流選手は、それができないことにある。
世界のエースストライカーと呼ばれる、メッシ、ネイマール、ロドリゲス、ロッベンの各選手。彼らは、例えば、ボールを受けた後、一瞬のタメを作り、シュートして、決める。上手い。実に上手い。
世界のエースストライカーは、チャンスを一発で物にし、ゴールをあげる。
しかし、香川真司選手や本田圭佑選手は、チャンスを2発目ないし3発目、良くて1.5発目で物にする。チャンスを一発で物にすることは、稀にしかできない。
この差がブラジルやオランダと日本の力量差となって現れる。現状のままでは、W杯で1次リーグを突破することすら至難の業である。
だから、願わくば、サッカー日本代表に「出でよ、超一流選手」である。
先日、2015年1月16日、サッカーのアジア・カップの対イラク戦。日本は、本田圭佑選手のPKでイラクを1-0で下した。しかし、この試合、本田選手は、自らのシュートを3度もゴールの枠に阻まれた。
前半17分には、長友選手があげた左クロスを頭で合わせたがポストを直撃。後半の立ち上がりは、右足シュートがクロスバーをたたいた。後半20分には、左折り返しに走り込んだが、ポストにはじかれた。
いずれも惜しいと言えば惜しいが、要は、チャンスを3発も物にできなかった。こんな場合、世界の超一流選手は、チャンスを3発とも物にしてしまう。
だから、ますます、思ってしまう。日本代表に「出でよ、超一流選手」。
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