高橋大輔選手・「某金メダリスト発言」
人生においては、それまでの人生のすべてをかけて挑戦する瞬間があるものだ。
その瞬間を思い出すと、いつも胸が熱くなる。それは、自分のことではなしに、他の人のことでも同じである。
2013年12月21日から23日までの3日間。フィギュアスケートの日本代表選考会が行われた。高橋大輔選手は、人生のすべてをかけて挑み、日本中のフィギュア好きの朗若男女が持てる熱情のすべてをかけて応援した。
文字通り、ドキドキハラハラの3日間。事実は小説より奇なり。スポーツは小説より奇なり。まさに、最高の人生ドラマが展開された。
翌12月24日のクリスマスイヴ。「よかったね、高橋大輔選手!!メリークリスマス!!」と題するブログ記事を書いて投稿した。苦難を乗り越えた高橋選手の頑張りがあまりにも嬉しく、祝福せずにはおけなかったのだ。
私が高橋大輔選手について書いた、人生初のブログ記事である。
これをきっかけにして、折に触れて高橋大輔選手に関わることをブログ記事にしてきた。以来、早いもので、もう7か月以上の月日が流れた。
津軽のシニアブロガーが高橋選手に関することを知ることができるのは、専らネットでである。今のインターネット世界は実にありがたく、ネット先生は懇切丁寧に教えてくれる。
そして、最近は、4月下旬からツイッターも始めた。ツイッターのありがたいところは、それこそリアルタイムで情報を得ることができる点である。
例えば、高橋選手が演技をしているアイスショーで、大ファンがまさに目前の様子を的確にツイートしてくれるのだ。
ツイッターを含むネット世界は、実にありがたい。
私が高橋大輔選手に関わることをブログ記事に書くと、高橋選手の大ファンがコメントして下さることがある。
そのコメントは、高橋選手をめぐる出来事、人物、スタッフ、雰囲気等々臨場感にあふれている。そして、専門性が豊かである。皆さん、津軽のシニアブロガーが思いもよらないことを、さらりと書いて下さる。
高橋大輔選手の大ファンの方々がいかに彼を愛し、応援しているか、その奥深さを知る思いである。それと同時に、世界の広さ、大きさを知らされる。人生は、いくつになっても、勉強である。
私は、コメントの内容を読んで、いろいろなことを知り、さまざまに考えることができるわけで、実にありがたい。
去る5月26日、ありがたいことに、高橋大輔選手・「プルシェンコ」と題するブログ記事に、ある方がコメントを寄せて下さった。
そのコメントは、「管理人のみ閲覧できます」という種類のコメントである。管理人のみ閲覧できるので、私のブログにアクセスしても、私以外は閲覧できない。
それはそれでやむを得ない。だが、私は、そのコメント主さんに御礼申し上げたい。しかし、コメントに対して私がコメントしても、オープンにならないだろう。また、困ったことに、コメント主さんに対する返信の仕方を私は知らない。
はてさて、どうしたものか。そこで、私は、ここいら辺のことをブログ記事に書くことにする。もちろん、コメント主さんのお名前は伏せる。また、コメントの中身も、原文のままではなく、適宜まとめさせていただく。
ある方曰く。
① プルシェンコのことで以前から思っていたことがあります。それは、某金メダリストの発言です。(しかし、彼が嫌いだというわけではありません。彼の演技には感動しますし、あの若さでかなりの実力者であることは否定しません。)
② 彼は、幼少の頃からプルシェンコが憧れの存在であると公言していました。プルシェンコの豪快な4回転の演技は、驚嘆と尊敬の念を抱かせるものであったのでしょう。
③ 彼は、年齢が上がりシニアに参戦するに当たり、まず国内での最大の壁が高橋選手であることを早くから認識したでしょう。
実際、国内の大会でのインタビューでは、高橋選手を「憧れの存在」と何度か評していました。しかしながら、どうもその場のリップサービスに聞こえてしまいました。
④ そして、オリンピック後のインタビューで、彼は、「僕はまだ若輩者で未熟者ですし、高橋選手が頑張ってきて下さったからこその金だと思っています」と発言しました。しかし、これは本当に彼の本心なのかと疑問を持たずにはいられませんでした。
⑤ もし本当に高橋大輔という人間、そしてその個性に畏怖の念を抱いていたならば、「賢い」彼ですから、「最大の憧れはプルシェンコだが、高橋大輔選手は、最大のライバルであり、尊敬できる存在であり続けている」というコメントもできたはずです。しかし、そうは言わなかったのは、彼の目は常にプルシェンコにあり、国内の選手は興味の範疇にはなかったということではないでしょうか。
⑥ 「(4回転)ジャンプはプログラムの一つの要素にすぎない。演技は、トータルである」という彼の言葉は、そのまま高橋選手の信念でもあります。しかし、そこに同調した発言を公の場で口にしない彼に、どうしても違和感を感じてしまうのです。
⑦ 高橋選手は、早くから彼を「怖い存在であり、よきライバル」と口にしていましたが、彼から出る言葉は「ライバルなんておこがましい」であり、お互いの存在の温度差がすごく気になっていました。
⑧ 目標に向かって前進していく彼の姿勢は素晴らしいものですが、高橋大輔という表現者を彼は本当はどう思っているのだろうか。ということを、改めて思った次第です。
この、ある方を、ある方のままでお呼びするのもなんだから、仮にとして、Aさんと呼ばせていただく。
まず思うのは、根っからのフィギュアスケートファン、高橋大輔選手の大ファンは、凄い。Aさんは、その人生を高橋選手の人生とともに生きておられる、ように見える。
そして、Aさんにそうさせる高橋選手もまた、凄いものだ。
今回のAさんのコメントは、一級の高橋大輔選手論、フィギュアスケート論である。
私は、5月26日付けのコメントを読んで以降、2か月間以上、ずうっとその中身について考え続けている。で、まだ考え方をまとめきれていない。
ただ、私の目から見れば、金メダリストである彼のフィギュアスケートは、プルシェンコのスケートとは異なる。彼が目指しているスケートは、高橋大輔選手が信念としているスケートだ、と私には観える。
その事実と彼の姿こそが雄弁に物語る。何を?
「最大の憧れはプルシェンコだが、高橋大輔選手は、最大のライバルであり、尊敬できる存在であり続けている」。
人間は、何かを語るとき、口で表現するとは限らない。口にして言葉で表現せずとも、別な方法で語ることはある。人生って、そうしたものだ。
論より証拠。高橋大輔選手の生き方を観れば、分かる。高橋選手は、人生の大事なことについて、口であれこれ語ることはない。高橋選手は、口ではなく、背中で語る。
例えば、高橋選手は、努力し続けること、苦労や困難を乗り越えること、それによって現在をより善いものにしていくことの素晴らしさを、みんな、その人生をかけて行動で示している。
それが高橋大輔だ。
以上、申し上げ、Aさんのコメントに対する御礼とさせていただきたい。
私の人気ブログランキングへの応援のため、
ポチッと↓をクリックお願いします。