サッカー日本代表・「今度は頼むよ、香川真司選手!!」
6月15日午前10時、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で、サッカー日本代表の初戦、対コートジボワール戦が始まった。
前半16分、長友佑都選手からのパスを受けた本田圭佑選手がゴール左上に蹴り込む。大会前、本調子でないように観えていた本田選手が豪快に決めてくれた先制点だ。
いける。これで、日本は勝てると思う。
前半20分、内田篤人選手のシュートは、GKにはじかれる。
前半21分、本田選手の右からのシュートは、GKの好守に阻まれる。
立て続けに好機を作る前半の推移を観ていると、日本代表の調子はいい。2点目もじきに入るな。2-0になれば、余裕で観ていれる。頑張れ、サムライブルー!!、頑張れ、ザックジャパン!!
しかし、2点目がじきに入るどころか、日本代表の調子がいいのが続かなくなっていく。
なんか、FW香川真司選手はどこにいるの? DF長友選手は一向に左サイドを駆け上がらないのはなぜ? といった調子になっていく。
日本は、その後、好機らしい好機を作れないまま、前半が終わる。
後半が開始し、日本が明らかに押されっぱなしで、試合が進む。それでも1-0で日本がリードしたままだ。
後半17分、コートジボワールのベンチが動いた。セレイ選手に代わり、ドログバ選手の出場だ。
ドログバ選手が登場すると、会場は大歓声に包まれる。この瞬間から、ムードが一気に変わる。コートジボワール代表の選手たちの動きが更によくなっていく。
後半19分、右サイドバックのオーリエ選手がクロスボールを上げる。それをボニ選手がヘディングで左隅にゴールを決める。1-1の同点だ。
ああ、やられちゃった。それでも、まだ1-1の同点だ。さあ、これからだ。頑張れ、日本!!
しかし、信じ難いことが起こる。
後半21分、右サイドバックのオーリエ選手がクロスボールを上げる。それをジェルビーニョ選手がヘディングで右隅にゴールを決める。1-2で、コートジボワールが逆転。
後半19分の1点目と後半21分の2点目の失点。日本の2失点は、まったく同じパターンだ。ヘディングで決めた選手がボニ選手とジェルビーニョ選手の違いがあるだけで、まったく同じパターン。二度とも、右サイドバックのオーリエ選手がクロスボールを上げ、ヘディングでゴール。
「判で押したよう」という言葉があるが、まさに判で押したように繰り返された2失点。しかも、後半17分と後半19分のたった2分間での2失点。これは、衝撃的だ。
ドログバ選手が出てきたのは後半17分で、2失点目は後半21分。この間、たった4分。これも、衝撃的だ。
結局、日本は、1-2でコートジボワールに負けてしまった。
試合後、メディアの配信ニュースのヘッドラインが踊る。「日本、左サイド決壊」。「10番香川 精彩欠く」。「長友屈辱 左サイドから2失点」。
この試合、いつもの日本代表の試合運びと、明らかに、そして極端に違うところがある。
前半16分、長友選手からのパスを受けた本田選手がゴール左上に豪快に蹴り込んで先制点を挙げた辺りまではいい。
問題は、その後だ。FW香川選手はどこにいるの? DF長友選手は一向に左サイドを駆け上がらないのはなぜ? といった状態がずうっと続いたまま、1-2で負けて試合終了だ。
ゲキサカの6月15日付け配信ニュース曰く。
「ボール支配率では日本の43%に対し、コートジボワールが57%。シュート数はコートジボワールが20本を数えたのに対し、日本はわずか7本だった」
「FIFA発表の公式スタッツによると、コートジボワールの攻撃パターンは「右サイド60%、中央25%、左サイド15%」。数字上からも右サイド一本槍と言っていいくらいに徹底していたことが分かる」
コートジボワールの攻撃パターンが右サイド一本槍ということは、日本の左サイドを徹底的に狙い、崩しにきたことを意味する。
日本の左サイドとは、守備的MFを挟んでFW香川選手とDF長友選手だ。
日本の攻撃パターンの武器は、FW香川選手とDF長友選手とで左サイドを崩し、相手ゴールに迫り、クロスボールを上げて、右から仕留める、だ。
ところが、その攻撃パターンの武器の使い手であるFW香川選手とDF長友選手が、逆に、崩されてしまった。つまり、相手の攻撃にさらされ、防御一点張りで、攻撃どころの騒ぎでない。
フットボールチャンネルの6月16日付け配信ニュース曰く。
「かつてイビチャ・オシムは当時全盛期にあったロナウジーニョを抑える方法について「ロナウジーニョが戻って守備をすれば、彼はロナウジーニョではなくなる」と語ったことがあるが、コートジボワールがやったことはまさにこれだ」
「コートジボワールは数的優位を生かしてボールを回しながら、右サイドから徹底的に攻撃を仕掛けた。そうすると日本は、左サイドの長友と香川が守備に回らざるを得なくなり、攻撃を高い位置でスタートさせることができずに長所が消されてしまう」
コートジボワールの戦略は、日本の左サイドを徹底的に狙うこと、その過程で、日本の前線では数的優位を作りながらボールを上手く回すことだ。
この結果、前線の大迫勇也選手と本田選手は孤立し、いたずらに走らさられて消耗。そして、左サイドの香川選手と長友選手は、守備に忙殺されて攻撃にいけないまま、これまた消耗。
結果、香川選手のシュートはゼロ。長友選手の左サイドの駆け上がりもなし。日本は、負けるべくして負けてしまった。
しかし、なぜこんなことになってしまったのだろうか。後半19分の1点目の失点は仕方がないとしても、立て続けに、2分後に判で押したようにまったく同じパターンで、2点目の失点をしてしまうとは。
その原因は、香川選手にある。試合後、香川選手は、語る。
「最初の(試合への)入りを大事にしていたので、そこは意識しました。でも、明らかに慎重になっていましたし、去年のコンフェデのブラジル戦のように失点しないように戦っていた」
彼が語るように、最初は慎重になっていたのだろうが、試合のビデオを観ると、試合が進むにつれ、香川選手は、腰が引けて何かに怯えているように観える。
失点場面では、怯え切って、金縛りにあったように、相手チームの選手にプレッシャーをかけるでもなく、ボールを奪いにいくでもなく、ボーッとしているように観えるのだ。
香川選手のこの姿勢が日本チーム全体に影響し、伝染した。チーム全体が腰が引けた状態で、守備が機能せずにただ受け身になってしまった。あとは、パスミス、判断ミスなど、歯車が悪い方へ悪い方へ回転していって、ジエンド。
香川選手は、語る。
「この試合のために調整してきましたし、それでこの出来ならば、それが自分の実力なのかなと。なんか、すごく、ホンマにこれが初戦というのは、終わってから気づくのはすごく悔しい。今日は先制点をとりながらも、僕たちのペースで1回も試合を進めていなかった。自分たちの、特に攻撃においては、形というのが、今までこの4年間やってきたことをトライできなかった、しなかった。そのことに対して、すごく、何をしに来たんだと、悔しい。できなかったし、しようとしなかったという風にも感じる。もっとできたと思うから」
「この4年間やってきたことをトライできなかった、しなかった」のは、なぜなんだろう。香川選手は、何に怯え切ったのだろうか。
香川真司選手は、4年前のW杯はサポート要員でしかなく、悔しい思いをした。4年の月日が流れ、香川選手は、今や、日本が世界に誇る選手だ。エースナンバーの10番を背負っている。堂々と、W杯のピッチに立ったはずだ。
なのに、なぜ?
とにかく、今度は、全力で挑戦してほしい。腰が引けて何かに怯え切ったように、相手選手にプレッシャーをかけるでもなく、ボールを奪いにいくでもなく、ボーッとしている香川選手を観るのは、もうごめんだ。
日本中の少年少女が香川選手を憧れの目で観ているのだ。だから、今度は、全力で挑戦してほしい。
香川選手なら、きっとできる。日本が世界に誇る香川選手だもの。日本中の少年少女が憧れる香川選手だもの。
今度は頼むよ、香川真司選手!!
私たち、日本中の国民は、粘り強く、熱く、サッカー日本代表を応援し、彼らと共に、一緒に戦う。
頑張れ、香川真司選手!! 頑張れ、サムライブルー!! 頑張れ、ザックジャパン!!
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