わさお日記

わさおの時事川柳・五行歌、俳句、短歌、十行歌、その他

スタップ疑惑騒動考・「法人たる理研の責任を取れよ。その2」

   そして、更に驚くことに、法人たる理研の責任をまったく取っていないのだ。

 2015年2月10日、関係者の処分等を発表した記者会見では、理研野依良治理事長など経営陣の処分や責任についての質問が相次いだ。これに対し、理研の堤精史人事部長は、「経営責任は、給与の自主返納と改革への行動計画の遂行で果たしている」と答えた。

 しかし、こんな人事部長では、世間の常識に照らせば、一発でクビだ。


 まず、この人事部長は、何を血迷ったことを言っているのだと思い、調べた。

 すると、理研のホームページに、2014年10月23日付けで「研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン」関連事項の取組状況等について、とのお知らせが載っている。

 その趣旨は、スタップ論文の研究不正認定を受け、理研がアクションプランを平成26年8月27日に公表したが、そのアクションプランを踏まえたガバナンスについての取組状況等を10月23日付けでお知らせするというものだ。

 その中では、「1. 経営戦略会議の設置」、「2. 運営・改革モニタリング委員会の設置」、「3. 研究コンプライアンス本部の設置」、「4. 研究政策審議役」、「5. 理事長補佐役」について触れている。

 理研のホームページで「アクションプランを踏まえたガバナンスについての取組状況等」なんて言うから、どんなに素晴らしいものかと期待するが、別にどうってことない中身だ。

 こんな中身で、「研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン」なんて銘打つとは、理研の幹部連中は、学者バカの集まりだ。

 で、お知らせの最後に、次の文章が出てくる。

    なお、以上の取組みに関連して、経営上の責任を明確にするため、理事長は、自らの給与の10分の1(3ヶ月)を自主返納するととともに、各理事に対して「厳重注意」を行いました。

    これを受けて各理事は、次のとおり給与の自主返納を行うことといたしました。

 「次のとおり給与の自主返納」の内容は、研究担当理事及びコンプライアンス担当理事は、給与の10分の1(2ヶ月)自主返納、広報担当理事、人事担当理事及び企画担当理事は、給与の10分の1(1ヶ月)自主返納である。

 つまり、経営上の責任を明確にするため、給与の10分の1を自主返納するとし、理事長は3ヶ月、研究担当理事及びコンプライアンス担当理事は2ヶ月、その他の理事は1ヶ月だ。
   

 責任を明確にするため、と言いながら、給与の自主返納は、たったの10分の1で、それを理事長が3ヶ月、以下、2ヶ月と1ヶ月の返納なのだ。

 こいつら、アホか。こんなのは、理事長及び各理事にとって屁でもない。しかも、こんなので、「経営上の責任を明確にするため」と抜かす。

 これじゃ、理研の幹部連中は、学者バカの集まりどころでない。改めて学校に入り直し、学校教育を受けるのをやり直しなよ。


 2014年10月23日の段階で、スタップ疑惑に関し確定しているのは、次の二つだけである。

① 2014年4月1日、理研は、スタップ論文の疑義に関する調査最終報告を公表し、2項目について改ざんと捏造の不正ありと認定した。

② 2014年7月2日、英科学誌ネイチャーは、スタップ疑惑四人組によるスタップ論文撤回の申し出に基づき、スタップ論文の撤回を行った。

 つまり、10月23日時点では、スタップ論文に改ざんと捏造の二つの不正ありと認定されるとともに、スタップ論文が撤回された一方、スタップ細胞が存在するか否かに関する理研の検証チームによる検証並びに小保方氏による検証実験は、続行中である。

 したがって、理事長及び各理事の給与の自主返納、それも、たった給与の10分の1の返納は、論理的に、スタップ論文の研究不正認定を受け、そのことに対するものにすぎない。そういう意味では、あくまでも暫定的なものだ。

 
 そして、時が過ぎる。
 

 2014年12月19日、理研は、スタップ細胞が存在するか否かの検証実験において、スタップ細胞を作製できず、検証実験を打ち切るとする検証結果を発表した。

 検証結果によれば、理研の検証チームが、小保方晴子氏のスタップ論文に基づく1615回の実験をしたが、万能性を持つスタップ細胞は一度も確認できなかった。

 また、理研の検証チームとは別個に、小保方氏が取り組んだ検証実験では計48回にわたりスタップ細胞の作製を試みたが、全て失敗した。

 つまり、スタップ論文どころか、スタップ細胞の存在も、どちらも真っ赤なウソだと確定したわけだ。

 次いで、2014年12月26日、外部有識者でつくる理研調査委員会の報告がなされた。

 それによれば、小保方晴子氏が「あります、あります」と口先主張したスタップ細胞とは、既存の万能細胞であるES細胞だ。

 それと、調査委は、小保方氏には、新たに二つのねつ造に当たる不正があったと認定した。

 事ここに至って、小保方氏の一発逆転の願いも空しく、スタップ論文も、スタップ細胞の存在も、どちらも真っ赤なウソであり、スタップ細胞とは、既存の万能細胞であるES細胞だと断定されたのである。

 この結果、スタップ疑惑騒動に係る以下の三つの大罪も確定だ。

 一つ目は、1年以上にわたり、世間を騒がせ続けてきたことだ。その中で、スタップは、理研そのものにおける研究であり、ノーベル賞受賞の山中伸弥教授のiPS細胞に対抗するために行われてきたことを重視すべきである。

 二つ目は、スタップ不正は、今や、「世界の三大不正」の一つとして認識され、日本の科学に対する世界中からの信頼、信用は、失墜してしまっていることだ。

 三つ目は、壮大な税金の無駄遣いだ。理研は、国民の税金で運営されている研究所である。スタップ疑惑騒動に関係する研究費、関係者の人件費その他諸々の経費も、みんな税金で賄われているのだ。これらをざっと計算すれば、税金の無駄遣いは、1億円を下らないだろう。

 
 したがって、論理的に、2014年12月26日以降、理研は、確定的に、三つの大罪に見合う法人たる理研の責任を取らなければならない。

 これに対し、理研の人事部長は、2014年10月23日の時点において「経営責任は、給与の自主返納と改革への行動計画の遂行で果たしている」と抜かす。だから、理研の人事部長は、世間の常識に照らし、一発でクビだ、となる。

 そのうえで、声を大にして言う。「法人たる理研の責任を取れよ」。 



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