高橋大輔選手・「やっぱり、貴方は超凄い選手だね」
2014年10月14日、世界フィギュアスケート界を牽引してきた高橋大輔選手が現役を引退し、一つの区切りをつけた。
私にとっての高橋大輔は、元々、あくまでも、生きるか死ぬかの勝負を挑むフィギュアスケートの選手である。ゆえに、引退しても、高橋大輔選手と呼んでいる。
今、フィギュアスケートのグランプリシリーズがたけなわである。
それをテレビで観ながら、高橋大輔選手はどうしているだろうかと思ってしまう。
日本選手の演技を観る時、常に、頭の中には、高橋大輔選手の雄姿が観えている。生きるか死ぬかの勝負を挑むフィギュアスケーター、高橋大輔選手。その高橋選手の演技姿越しに、日本選手の演技が観えるのだ。
だから、素晴らしい演技は素晴らしく、そうでない演技はシビアに観ることになる。
最近は、町田樹選手に注目している。町田樹選手は、高橋大輔選手に憧れ、高校及び大学共に彼の背中を追って今日に至っている。いずれも高橋選手の母校である岡山県の倉敷翠松高校、関西大学でスケートの技を磨いてきた。
昨シーズンは、ソチ五輪で5位入賞、世界選手権で銀メダル獲得と、今や世界で誰しも認める強豪選手だ。
今シーズンは、グランプリシリーズ第1戦アメリカ大会で二連覇、第5戦フランス大会で準優勝と、早々と、グランプリシリーズファイナル進出を決めている。
町田樹選手の演技を観ていると、この若者は、昨シーズンよりも更に強くなっていると感じる。
目につくのは、体幹の強さだ。以前よりも、フィジカル面でかなり鍛えている印象である。それと、演技のキレも増している。気合いもより入っている。いいことづくめだ。
そして、町田樹選手の演技の流れを形容すれば、「ゆとりとキレと自信と」である。
という自分なりのまとめ方をしていたら、グランプリシリーズ第5戦フランス大会の翌日、11月24日、NHKのBS1で「NHK杯・氷上のメモリーズ」(再放送)が放送された。NHKも、たまには気の利いたことをするものだ。
その中のタイトル表現に、「高橋大輔・16歳から27歳の魅惑のステップ 男子最多5回優勝!」とある。この表現を観て、即座に、「NHKも、たまには気の利いたことをする」という褒め言葉を撤回した。
高橋大輔選手のフィギュアスケートを形容するに、「魅惑のステップ」だけで終わっているのは、高橋大輔選手のスケートの本質を理解していないことになるからだ。
高橋大輔選手が世界に対して実現して観せたのは、ジャンプで切れ味鋭い4回転等とステップ及びスピンで世界一の芸術性との融合である。これは、世界一美しいフィギュアスケートの実現だ。
だから、NHKのBS1のタイトル表現は、「高橋大輔・世界一美しいフィギュアスケート 男子最多5回優勝!」であってしかるべきだ。
まあ、それはそれとして、高橋大輔選手のフィギュアスケートの全容を初めてじっくり観せていただいた。
そして、世界一美しいフィギュアスケートを堪能した。
今回、改めて気づいたのは、高橋大輔選手の世界一美しいフィギュアスケートの根っこには、楽しさがあることだ。ありとあらゆるジャンルの楽曲に乗った、彼のフィギュアスケートは、とにかく楽しい。
しかも、その楽しさは、高橋大輔選手が一人で醸し出すのではない。観客は、それも若女子だけでなく、元若女子も、のみならず若男子、果ては元若男子に至るまで、あたかも高橋大輔選手と共に演技しているかのような雰囲気に包まれている。
まさに、「氷上の エンターテイナー 君のこと」である。
日本の、世界の、フィギュアスケート界の進化の歴史は、高橋大輔選手の成長の歴史と重なる。そして、それと併せて世界中のフィギュアスケートファンが楽しみ方を拡大してきている歴史でもある。
高橋大輔選手、「やっぱり、貴方は超凄い選手だね」。後輩、町田樹選手の演技の素晴らしさを慮っても、ますますその気持ちを強くするばかりである。
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