わさお日記

わさおの時事川柳・五行歌、俳句、短歌、十行歌、その他

あなたがギックリ腰になったらどうする? 

    日常生活を送るうえで、一番大事なことは、健康であることだ。で、健康の基本となるのが足腰が丈夫なことである。歳が行けば行くほど、足腰が丈夫なことがありがたい。

 例えば、嫁姑のバトルにおいてだって、姑の足腰がしっかりしていることが大前提となる。姑の足腰がヨロヨロだと、バトルにならない。

 それほどに大事な足腰のうち、腰が痛くなる症状を腰痛症(ようつうしょう)という。なんぼ元気でも、なんぼ若くても、腰痛症になることはある。

 それも、腰痛症は突然やって来ることがあるから、気をつけなければならない。

 腰痛症とは、神経症状を伴わない腰痛のうち、特に原因となる器質的病変が認められないものである。

 器質とは、組織細胞によって構成される器官の構造的、形状的な性質であり、器質的病変が認められるといえば、体のどこかが損傷を受けた結果、不具合が生じている状態である。

 これに対し、機能的病変が認められるといえば、特にどこにも損傷がないが、正しく機能しない状態である。

 器質的病変ではなく、機能的病変である腰痛症は、一般的に「ギックリ腰」と呼ばれる急性腰痛症と、痛みは軽いものの強くなったり楽になったりを繰り返す「慢性腰痛症」に分けられる。


 「ギックリ腰」は、なんぼ若くても、なんぼ元気でも、突然やって来る。

 今から40年ほど前、二十歳の時のことだ。仙台での大学生時代、私は紅顔の美少年である。

 今、乙女にも元乙女にも、熱狂的かつ絶大な人気を誇る高橋大輔選手。フィギュアスケートの高橋選手は、誰が見てもイケメンだ。イケメン中のイケメンとは、彼のことを指す。

 しかし、その高橋大輔選手でも、二十歳の時の私には敵わない。こういう具合に断言できるのは、楽しい。

 晩秋のある日、下宿先の二階の自室にいた。

 「ニモツガオグラレデキタヨワ!! オリデキテハコンデイッテケサイ!!」と大家のおばあちゃんの大きな声。「荷物が送られて来ましたよ!! 降りてきて運んで行って下さい!!」と叫んでいるのだ。

 来ましたよのよをヨワといい、行って下さいをイッテケサイというのが仙台弁の面白いところだ。

 ちなみに、2014年ソチ五輪フィギュアスケート金メダルの羽生結弦選手。このボクちゃんは、仙台人だ。羽生選手を思い浮べる時のファーストインプレッションは、ボクちゃんであり、なかなか可愛くかっこいい。

 で、羽生選手も、先ほどのシーンで大家のおばあちゃんの立場になれば、言葉づかいは、まったく同じになる。「ニモツガオグラレデキタヨワ!! オリデキテハコンデイッテケサイ!!」。だって、仙台弁は仙台弁だもの。

 なんか、可笑しくて、吹き出してしまう。

 そして、次の場面だ。

 急いで階下に降りた。いつも腹を空かしている貧乏学生にとって、荷物が届くイコール食い物が届くを意味していた。

 大きなダンボール箱は、ふるさと津軽の父母から送られてきたものだった。ダンボール箱に表示されている文字から、その中身はりんごであることが分かった。

 ダンボール箱は、重い。それを持って、階段を昇った。りんごを一つ、早く食べたかった。

 その途中で、滑った。ヤバイ、階段から転げ落ちる。

 荷物が来たよ、の声に急いで階下に降りたため、スリッパを履かずに靴下のままだった。

 ヤバイ、階段から転げ落ちたら、ヤバイ。

 階段からの転落を防ぐため、グウーッと腰を入れた。若さに任せて、力を込めた。
 
 その瞬間、腰に痛みが走った。


 腰にイヤな痛みが走っている。まあ、それでも、寝ていれば直るだろう、若いんだし。サロンパスかなんか貼っただけで、寝ていた。当然、学校は休んだ。
  
 寝ている間、りんごを食べた。

 りんごは国光だった。国光を青森県では雪の下とも言った。国光の収穫期は、11月上旬以降と晩く、樹上のりんごが雪の下になることもあるからだ。寝ながら国光を食べて、青森の父母のことを、そして、やがて降り積もる津軽の雪を思った。

 しかし、一日経っても、二日経っても、痛みはひかず、腰のイヤな痛みは、ますます痛くなるばかり。

 とうとう三日目に耐えきれなくなった。で、医者に行った。

 その当時、仙台の長町に住んでいて、下宿から長町病院までは、1キロメートルくらいの距離だ。
 
 行く道すがら、電信柱につかまり、塀に寄りかかり、道路沿いのフェンスにつかまり。二十歳の若者は、やっとやっとで、這って行ったようなものだ。
 
 ずうっと、腰は痛かった。しかし、貧乏学生には、タクシーに乗る金はない。

 病院では、腰の辺りにある筋のところに並行して注射を3本うたれ、飲み薬を貰った。ズボンを降ろし、腰に注射をうってくれた看護婦さんのいいにおいがした。

 医者には笑われた。「こういうときは、我慢していないで、病院にすぐに来るもんですよ」。

 まったくそのとおりだ。
 
 その後、2日して回復した。腰の痛みは、なくなった。まさに、劇的になくなった。


 「ギックリ腰」。ギックリ腰は、なんぼ若くても、なんぼ元気でも、突然やって来る。

 ギックリ腰になったら、とにかく、すぐに病院に行くことだ。こればっかりは、様子を見たり、我慢をしないことだ。

 そんなことをすれば、とんでもなく痛い思いをするだけである。

 遠い昔の青春の痛い痛い思い出が教えてくれる。



    私の人気ブログランキングへの応援のため、
 ポチッと↓をクリックお願いします。


   にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログへ
にほんブログ村